プロローグ
『今……付き合ってるヤツいるの?』
ああ、またか……
『……うん、いるよ』
……………
『そう、なんだ……』
情けない……
『うん……』
どうしようもないって判ってるけど、情けない。
『ごめん、変なこと聞いて。久々に逢ったからかな』
違うだろ、そんな事が言いたいんじゃないだろ。
『うん、確かに久しぶりだからね。2年って意外と長かったよね』
そう、2年間は長すぎた。
『そうだね……』
彼女の事を女だと意識して好きになってしまうくらいに。
『そっちこそ、今……彼女とかいるの?』
でも気づいた時にはもう遅くて。
『……まあね』
せめて引き際くらいはしっかりしようと、嘘をついた。
『そっか……』
彼女に笑顔を向けて別れた。
『……雨が降っててよかった』
情けない。
視界が滲んでいく。
夢の終わり、現の始まり
彼女の姿はもう見えない。
情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けない。情けな――
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